ダイエットを続けていると、最初は順調に体重が落ちていたのに、途中から急に落ちにくくなることがあります。
このときによく言われるのが、代謝が落ちたからチートデイを入れた方がいいという考え方です。
ただし、ここで注意したいのは、チートデイをすれば代謝が完全に戻るというほど単純ではないということです。
最新の研究を見ていくと、ダイエット中に代謝低下は実際に起こります。しかし、それを防ぐために大事なのは、1日だけ好き放題に食べることではなく、計画的に摂取カロリーを戻す期間を作ることです。
この記事では、ダイエット中の代謝低下がなぜ起こるのか、チートデイがなぜ過大評価されやすいのか、そして代謝を保ちながら痩せるためのリフィードとダイエットブレイクについて解説します。
ダイエット中に代謝低下は本当に起こるのか
まず前提として、ダイエット中に代謝が下がることは実際に起こります。
これは単なる気のせいではありません。体重が減ると、体を維持するために必要なエネルギーも少なくなります。さらに、体は摂取カロリーが少ない状態が続くと、消費エネルギーを抑えようとします。
このような反応は、適応熱産生と呼ばれます。
人間の体は、食べたエネルギーをすべて運動や生命活動に使っているわけではありません。一部は熱として放出されています。しかし、摂取カロリーが少ない状態が続くと、体は熱として捨てるエネルギーを減らし、省エネモードに入ります。
つまり、同じ食事量であっても、ダイエット前より体重が落ちにくくなることがあるということです。
代謝が落ちる理由は2つある
ダイエット中に代謝が落ちる理由は、大きく分けると2つあります。
1. 体が省エネモードになる
カロリー制限が続くと、体はエネルギーを無駄に使わないように調整します。
これは生存のためには合理的な反応です。食べ物が少ない状態で、今まで通り大量のエネルギーを消費していたら、体は危険な状態に近づいてしまいます。
そのため、体は熱として放出するエネルギーを減らし、日常生活での無意識の活動量も下げようとします。
これが、ダイエット中にだるくなる、動くのが面倒になる、体温が下がったように感じる、以前より汗をかきにくくなるといった感覚につながることがあります。
2. 体重が減ることで維持コストが下がる
もう1つは、体重そのものが減ることによる代謝低下です。
体が大きい人ほど、体を維持するために多くのエネルギーが必要です。逆に、ダイエットで体重が減れば、その分だけ維持に必要なカロリーも下がります。
これは筋肉が減るからという話だけではありません。脂肪も含めて、体の組織が減れば、維持コストは下がります。
つまり、ダイエット前と同じカロリー設定を続けていても、体重が落ちるほど消費カロリーとの差が小さくなり、減量スピードは鈍くなりやすいのです。
筋トレと高タンパクだけでは代謝低下を完全には防げない
ダイエット中は筋トレをした方がいいです。タンパク質もしっかり摂った方がいいです。
これは間違いありません。
筋トレと高タンパク食は、筋肉量を守るために非常に重要です。体を引き締めたい人、リバウンドしにくい体を作りたい人にとっては必須に近い要素です。
ただし、筋トレをしているから代謝低下が完全に防げるわけではありません。タンパク質をしっかり摂っているから、カロリー制限による代謝適応が起こらないわけでもありません。
ダイエット中の代謝低下を考えるときは、筋トレとタンパク質だけではなく、摂取カロリーをどのタイミングで戻すかも重要になります。
チートデイで代謝は戻るのか
ダイエット中に停滞すると、チートデイを入れた方がいいと聞いたことがある人は多いと思います。
チートデイとは、一般的には1日だけ好きなものを多めに食べる日のことです。ラーメン、焼肉、スイーツ、ジャンクフードなどを食べて、ダイエット中のストレスを解放する目的で行われることが多いです。
しかし、代謝を戻すという意味では、チートデイには強い根拠があるとは言い切れません。
短期間の過食によって、レプチンなどのホルモンが一時的に変化する可能性はあります。レプチンは、エネルギー消費や食欲に関わるホルモンです。
ただし、ホルモンが一時的に変化したからといって、実際の代謝が十分に回復したとは限りません。
特に、1日だけ大量に食べる方法は、代謝を戻すというより、単純にその日だけ摂取カロリーが増えてしまうリスクもあります。
チートデイのメリットは心理面にある
チートデイにまったく意味がないわけではありません。
心理的なメリットはあります。
たとえば、ダイエット中に食べたいものが出てきたときに、今すぐ食べないと考えるよりも、週末に食べようと先延ばしにする方が我慢しやすい人もいます。
人間は、完全に禁止されると反動が強くなりやすいです。しかし、食べるタイミングが決まっていれば、暴食を防ぎやすくなる場合があります。
ただし、このメリットはチートデイでなければ得られないものではありません。
計画的に摂取カロリーを戻すリフィードやダイエットブレイクでも、同じような心理的メリットは得られます。
むしろ、代謝や食欲コントロールまで考えるなら、無計画なチートデイよりも、リフィードやダイエットブレイクの方が現実的です。
リフィードとは何か
リフィードとは、ダイエット中に一時的に摂取カロリーを維持カロリー付近まで戻す方法です。
期間としては、1日から3日程度で行われることが多いです。
チートデイとの大きな違いは、ただ好き放題に食べるのではなく、計画的にカロリーと栄養バランスを調整することです。
特にリフィードでは、脂質ではなく糖質を中心に増やすことが重要です。
リフィードで糖質が重要な理由
リフィードで糖質を増やす理由は、糖質がレプチンやトレーニングパフォーマンス、筋グリコーゲンの回復に関わるためです。
ダイエット中は、糖質量が少なくなりやすく、筋肉内のグリコーゲンも減りやすくなります。グリコーゲンが減ると、筋トレの出力が落ちやすくなります。
トレーニングの質が落ちると、筋肉を維持する刺激も弱くなります。その結果、体重は落ちているのに、見た目が引き締まらないという状態になりやすくなります。
そのため、リフィードでは脂質を増やしてカロリーを上げるよりも、糖質を中心に増やす方が向いています。
リフィードの実践方法
リフィードを行う場合は、次のような形が現実的です。
- 期間は1日から2日程度
- 摂取カロリーは維持カロリー付近に戻す
- タンパク質量は普段通り確保する
- 脂質は増やしすぎない
- 増やすカロリーの中心は糖質にする
たとえば、普段のダイエット中の摂取カロリーが1500kcalで、維持カロリーが1900kcalの人であれば、リフィード日は1900kcal前後まで戻します。
このとき、唐揚げやケーキで増やすのではなく、白米、オートミール、芋類、果物、和菓子など、糖質中心で調整するのがおすすめです。
もちろん、好きなものを少し入れることは問題ありません。しかし、リフィードの目的は爆食ではなく、ダイエット中に落ちやすい代謝、食欲、トレーニングパフォーマンスを整えることです。
ダイエットブレイクとは何か
ダイエットブレイクとは、ダイエットを一定期間休む方法です。
休むといっても、好き放題に食べるわけではありません。摂取カロリーを維持カロリーまで戻し、体重を大きく増やさない範囲で食事制限を一時的に緩めます。
期間は1週間から2週間程度で行われることが多いです。
リフィードが短期間のカロリー回復だとすれば、ダイエットブレイクはもう少し長めに維持カロリーへ戻す方法です。
ダイエットブレイクのメリット
ダイエットブレイクのメリットは、身体的な回復だけでなく、心理的な回復にもあります。
長期間のダイエットでは、空腹感、食欲、イライラ、集中力の低下、トレーニング意欲の低下などが起こりやすくなります。
この状態で無理に続けると、ある日一気にドカ食いしてしまい、その罪悪感からさらに食事が乱れるという悪循環に入りやすくなります。
ダイエットブレイクを入れることで、食事制限による精神的な負担を軽くし、長期的に継続しやすくなります。
特に、何度もダイエットに失敗している人、途中で暴食してしまう人、減量期間が長くなっている人には有効な選択肢です。
ダイエットブレイク中に体重が増えても焦らなくていい
ダイエットブレイクを入れると、一時的に体重が増えることがあります。
しかし、これは脂肪が一気に増えたわけではありません。
糖質を増やすと、筋肉内のグリコーゲンが回復します。グリコーゲンは水分を一緒に抱え込むため、体内の水分量が増え、体重が増えることがあります。
つまり、ダイエットブレイク中の1kgから2kg程度の増加は、水分や胃腸内の内容物である可能性が高いです。
ここで焦ってすぐに極端な食事制限に戻すと、また同じように疲弊しやすくなります。
ダイエットブレイクは、短期的な体重ではなく、長期的に脂肪を落とし続けるための戦略として考えることが大切です。
チートデイ、リフィード、ダイエットブレイクの違い
| 方法 | 期間 | 内容 | 主な目的 |
|---|---|---|---|
| チートデイ | 1日 | 好きなものを多めに食べることが多い | 心理的な解放 |
| リフィード | 1日から3日 | 維持カロリー付近まで戻し、糖質を増やす | 代謝、食欲、トレーニングの回復 |
| ダイエットブレイク | 1週間から2週間 | 維持カロリーで過ごす | 長期ダイエットの継続性を高める |
この3つを比べると、代謝や継続性まで考えた場合、チートデイよりもリフィードやダイエットブレイクの方が使いやすいです。
おすすめの使い分け
実際にダイエットに取り入れるなら、目的や体型によって使い分けるのがおすすめです。
体脂肪が多めの人
体脂肪が多めの人は、まずはシンプルにカロリー収支を整えることが優先です。
最初から頻繁にリフィードやダイエットブレイクを入れすぎると、単純にカロリー赤字が作れなくなる可能性があります。
ただし、ダイエット期間が長くなってきた場合や、食欲が強くなってきた場合は、4週間から8週間に1回ほど、1週間のダイエットブレイクを入れるのは有効です。
すでにある程度絞れている人
すでに体脂肪が低めの人は、代謝低下やトレーニングパフォーマンスの低下が起こりやすくなります。
この場合は、週1回から2回のリフィードを入れる選択肢があります。
たとえば、平日はカロリー制限を行い、土日は維持カロリー付近まで戻すという方法です。
この方法であれば、トレーニングの質を保ちやすく、精神的にも続けやすくなります。
ドカ食いしやすい人
ダイエット中に何度もドカ食いしてしまう人は、根性がないのではなく、制限の設計がきつすぎる可能性があります。
このタイプの人は、無理に我慢し続けるよりも、あらかじめ食事制限を緩める日を決めた方が成功しやすいです。
週1回から2回のリフィード、または3週間から4週間に1回のダイエットブレイクを入れることで、暴食のリスクを下げられる可能性があります。
代謝を保つための実践プラン
ダイエット中に代謝を保ちたい場合、次のような流れがおすすめです。
- まずは維持カロリーを把握する
- 普段は維持カロリーから10%から25%程度の赤字を作る
- タンパク質は体重1kgあたり1.6gから2.2gを目安にする
- 筋トレを継続して筋肉への刺激を入れる
- 停滞や疲労が出てきたら、糖質中心のリフィードを入れる
- 長期化する場合は、1週間程度のダイエットブレイクを入れる
大切なのは、ずっと我慢し続けることではありません。
痩せるためにはカロリー赤字が必要ですが、カロリー赤字を長く続けすぎると、体もメンタルも疲弊します。
だからこそ、計画的に維持カロリーへ戻す日や期間を作ることが重要です。
リフィードで増やすなら脂質より糖質
リフィードでよくある失敗が、脂質中心でカロリーを増やしてしまうことです。
焼肉、揚げ物、ピザ、ケーキなどは、糖質だけでなく脂質も非常に多くなります。
脂質が多い食事はおいしく、満足感もありますが、リフィードの目的には合わないことがあります。
リフィードで増やしたいのは、主に糖質です。
おすすめは、白米、うどん、そば、パスタ、じゃがいも、さつまいも、果物、和菓子などです。
もちろん、完全に脂質をゼロにする必要はありません。しかし、脂質を増やしすぎると、ただの高カロリーな食事になりやすいため注意が必要です。
チートデイを入れるならルールを決める
どうしてもチートデイを入れたい場合は、完全に禁止する必要はありません。
ただし、ルールは必要です。
- 1日中食べ続けるのではなく、1食だけにする
- 翌日に体重が増えても焦らない
- チート後に極端な断食をしない
- 毎週の平均摂取カロリーが崩れないようにする
- 罪悪感で次の日も乱れないようにする
チートデイで一番よくないのは、食べたことそのものではありません。
食べすぎた罪悪感から、翌日以降も食事が乱れ続けることです。
ダイエットは1日で決まるものではありません。大事なのは、1週間、1ヶ月単位で見たときに、継続できているかどうかです。
ダイエット中に代謝を保つために大切な考え方
代謝を保つために一番大事なのは、極端な食事制限を長く続けすぎないことです。
短期間で一気に痩せようとすると、摂取カロリーを大きく下げすぎてしまいます。
その結果、体重は一時的に落ちますが、代謝低下、空腹感、疲労感、トレーニングパフォーマンスの低下が起こりやすくなります。
そして、最終的に続かなくなり、リバウンドしてしまう人が多いです。
ダイエットで本当に大切なのは、短期間で何kg落とすかではなく、落とした体型を維持できるかどうかです。
そのためには、食事制限を頑張る期間と、維持カロリーで整える期間をうまく組み合わせる必要があります。
まとめ
ダイエット中に代謝低下は実際に起こります。
体重が減れば維持に必要なカロリーは下がりますし、カロリー制限が続けば体は省エネモードに入りやすくなります。
ただし、そこでチートデイを入れればすべて解決するわけではありません。
1日だけ好き放題に食べるよりも、計画的に摂取カロリーを戻すリフィードや、一定期間維持カロリーで過ごすダイエットブレイクの方が、代謝や食欲、継続性を考えると現実的です。
特にリフィードでは、脂質ではなく糖質を中心に増やすことがポイントです。
ダイエットは、我慢を長く続けた人が勝つものではありません。続けられる設計を作った人が勝ちます。
停滞している人、チートデイを繰り返しているのに痩せない人は、食べる日を作るのではなく、計画的に維持カロリーへ戻す日を作るという考え方に変えてみてください。
都島・京橋エリアでダイエットを始めたい方へ
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