筋トレと有酸素運動の正しい組み合わせ方!最新トレーニング研究から解説

「筋トレと有酸素運動は一緒にやると筋肉がつきにくくなる」

このような話を聞いたことがある方は多いと思います。ダイエット目的で筋トレも有酸素運動も頑張りたい方にとっては、かなり気になるテーマです。

結論から言うと、筋トレと有酸素運動を組み合わせること自体は問題ありません。ただし、やり方を間違えると筋力やパワーの伸びを邪魔する可能性があります。

特に大事なのは、有酸素運動の量、種類、筋トレとの間隔です。バカみたいに長時間走り込むようなやり方を筋トレと同時に行うと、疲労が大きくなり、筋トレの質が落ちやすくなります。

一方で、適度な有酸素運動を別日、または十分に時間を空けて行うのであれば、筋肥大や筋力アップへの悪影響はそこまで大きくないと考えられています。

この記事では、筋トレと有酸素運動を同時に行うと本当にダメなのか、研究の流れと実践での組み合わせ方を解説します。

目次

筋トレと有酸素運動を同時に行うことをコンカレントトレーニングという

筋トレと有酸素運動を同じ時期に組み合わせて行うことを、コンカレントトレーニングと呼びます。日本語では同時トレーニング、並行トレーニングと表現されることもあります。

例えば、次のようなパターンです。

  • 筋トレ後にランニングをする
  • 筋トレ後にバイクを漕ぐ
  • 週3回筋トレ、週3回有酸素運動をする
  • ダイエット目的で筋トレとウォーキングを並行する
  • 筋肥大を狙いながら持久力トレーニングも行う

問題になるのは、このコンカレントトレーニングによって、筋トレの効果が落ちるのではないかという点です。

この現象は、干渉効果と呼ばれます。簡単に言うと、筋トレで得たい適応と、有酸素運動で得たい適応がぶつかり合い、筋力や筋肥大、パワーの伸びが弱くなる可能性があるという考え方です。

昔は「筋トレと有酸素運動は相性が悪い」と考えられていた

コンカレントトレーニングの研究は、1980年代ごろから注目され始めました。

当時の大きな疑問は、筋トレと有酸素運動の両方を極めることはできるのか、というものでした。

筋トレは、瞬間的に大きな力を出す能力を高めます。筋肉を太くし、神経系も強い力を発揮できるように適応していきます。

一方、有酸素運動は長時間動き続ける能力を高めます。心肺機能、毛細血管、ミトコンドリアなど、持久力に関わる適応が中心になります。

つまり、筋トレと有酸素運動では体が求められる適応が違います。

極端に言えば、筋トレは「大きな力を短時間で出す体」を作り、有酸素運動は「小さな力を長時間出し続ける体」を作ります。

そのため、昔の研究では「マッチョなマラソンランナーは実現できるのか」というような視点で、筋トレと有酸素運動を同時に行う影響が調べられていました。

1980年の古典的研究で干渉効果が見つかった

1980年の有名な研究では、トレーニング未経験者を3つのグループに分けて調査しました。

  • 筋トレだけを行うグループ
  • 有酸素運動だけを行うグループ
  • 筋トレと有酸素運動の両方を行うグループ

この研究では、筋トレだけのグループは順調に筋力が伸びました。

一方、筋トレと有酸素運動の両方を行ったグループも最初は筋力が伸びましたが、後半になると伸びが鈍くなりました。

この結果から、筋トレと有酸素運動を同時に行うと、筋力の発達が妨げられる可能性があると考えられるようになりました。

これが、コンカレントトレーニングにおける干渉効果の出発点です。

2012年のメタ分析でも干渉効果が確認された

その後、コンカレントトレーニングに関する研究が増え、2012年には複数の研究をまとめたメタ分析が発表されました。

このメタ分析では、筋トレだけを行ったグループと、筋トレと有酸素運動を組み合わせたグループが比較されました。

結果として、筋トレと有酸素運動を組み合わせると、特にパワーの向上が妨げられやすいことが示されました。

ここでいうパワーとは、ただ重いものを持ち上げる力だけではありません。力を素早く発揮する能力です。

例えば、ベンチプレス100kgを1回上げられる人が2人いたとします。どちらも最大筋力は同じように見えますが、片方はゆっくりギリギリで挙げ、もう片方はスピードを持って一気に挙げた場合、後者の方がパワーは高いと言えます。

コンカレントトレーニングでは、この爆発的に力を発揮する能力が特に影響を受けやすいと考えられています。

有酸素運動の量が増えるほど干渉効果は起こりやすい

干渉効果を考えるうえで重要なのが、有酸素運動の量です。

研究では、有酸素運動に費やす時間が増えるほど、筋力、筋肥大、パワーへの影響が大きくなりやすい傾向が示されています。

つまり、有酸素運動を少し取り入れる程度であれば問題になりにくいですが、長時間・高頻度で有酸素運動を入れると、筋トレの効果を邪魔する可能性が高くなります。

特に、筋肉を増やしたい、ベンチプレスやスクワットの重量を伸ばしたい、瞬発力を高めたいという方は、有酸素運動のやりすぎに注意が必要です。

ランニングはサイクリングより干渉しやすい可能性がある

有酸素運動の種類も重要です。

研究では、サイクリングよりもランニングの方が干渉効果が起こりやすい可能性が示されています。

理由のひとつは、ランニングの方が筋肉へのダメージや疲労が大きくなりやすいからです。

ランニングでは着地の衝撃があり、筋肉が伸ばされながら力を発揮する局面が多くなります。そのため、筋肉痛や炎症、筋損傷が起こりやすくなります。

一方、サイクリングは着地衝撃が少なく、筋肉へのダメージが比較的少ない運動です。

そのため、筋トレと有酸素運動を組み合わせる場合、脚の筋トレへの悪影響を抑えたいなら、長時間のランニングよりもバイクやウォーキングの方が扱いやすい場合があります。

なぜ筋トレと有酸素運動は干渉すると考えられているのか

筋トレと有酸素運動が干渉すると考えられてきた理由には、いくつかのメカニズムがあります。

1. AMPKとmTORの関係

筋トレを行うと、筋肥大に関わるmTORという細胞内シグナルが活性化します。

かなり簡単に言うと、mTORは筋肉を作る方向に働くスイッチのようなものです。

一方、有酸素運動ではAMPKというエネルギー代謝に関わるシグナルが活性化しやすくなります。

このAMPKがmTORの働きを抑える可能性があるため、有酸素運動が筋肥大を邪魔するのではないかと考えられてきました。

ただし、これは細胞レベルの話であり、実際の人間のトレーニング結果をすべて説明できるわけではありません。

現在では、このメカニズムだけで「有酸素運動をすると筋肉がつかない」と断定するのは雑です。

2. 神経適応の方向性が違う

筋トレと有酸素運動では、筋肉の使い方も違います。

筋トレでは、多くの筋線維を一気に動員して、大きな力を出す能力が求められます。

一方、有酸素運動では、比較的小さな力を長時間出し続ける能力が求められます。

筋トレは「一気に強く出力する」方向への適応、有酸素運動は「長く疲れにくく動く」方向への適応です。

この方向性の違いが、神経系の適応において干渉する可能性があると考えられています。

3. 単純に疲労が溜まる

実践上、最も重要なのはこれです。

有酸素運動をすれば、当然疲労が溜まります。特に脚を使う有酸素運動を行った後にスクワットやレッグプレスをすると、筋トレのパフォーマンスが落ちやすくなります。

筋トレの重量、回数、セット数が落ちれば、筋肉に与えられる刺激も弱くなります。

その結果、長期的に見ると筋力や筋肥大の伸びが弱くなる可能性があります。

つまり、干渉効果の一部は、難しい細胞シグナルだけの話ではなく、単純に疲れて筋トレの質が下がるという問題でもあります。

HIITなら干渉しないのか

一時期、有酸素運動の中でもHIITなら筋トレに近い刺激だから干渉しにくいのではないか、という考え方がありました。

HIITとは、高強度インターバルトレーニングのことです。短時間の全力に近い運動と休憩を繰り返す方法です。

確かにHIITは、ゆっくり長く走る有酸素運動よりも筋トレに近い要素があります。

しかし、HIITも強度が高いため、疲労はかなり大きくなります。特に下半身を使うHIITを筋トレと同じ日に行うと、脚の筋トレの質を落とす可能性があります。

そのため、HIITだから絶対に干渉しないと考えるのは危険です。

筋肥大や筋力アップを優先するなら、HIITも入れ方を考える必要があります。

時間を空ければ干渉効果はかなり抑えられる

近年の研究でかなり重要になっているのが、筋トレと有酸素運動の間隔です。

筋トレと有酸素運動を間髪入れずに行うと、疲労が重なりやすくなります。

一方で、6時間以上空ける、24時間以上空ける、別日に分けるといった方法を取ることで、干渉効果はかなり抑えられる可能性があります。

特に筋肥大や最大筋力に関しては、筋トレと有酸素運動を別日に分ければ、そこまで大きな悪影響は出にくいと考えられています。

実践的には、筋トレの効果を優先したいなら、有酸素運動は別日にするのが最も無難です。

近年の結論は「思っていたほど気にしすぎなくていい」

昔の研究では、筋トレと有酸素運動を同時に行うと干渉効果が起こると強く考えられていました。

しかし、近年のメタ分析では、当初考えられていたほど筋肥大や最大筋力への悪影響は大きくない可能性が示されています。

特に、適度な有酸素運動であれば、筋肉を増やすことや筋力を伸ばすことへの影響は限定的です。

ただし、パワーの向上に関しては干渉が起こりやすいと考えられています。

そのため、スポーツ競技で瞬発力やジャンプ力、スプリント能力を高めたい方は、有酸素運動の入れ方を慎重に考える必要があります。

一方、一般的なダイエット、健康づくり、ボディメイク目的であれば、筋トレと有酸素運動を組み合わせること自体を怖がりすぎる必要はありません。

ダイエット目的なら筋トレと有酸素運動は組み合わせてOK

ダイエット目的の場合、筋トレと有酸素運動を組み合わせるメリットは大きいです。

筋トレは筋肉量を維持し、基礎代謝や体のラインを保つために重要です。

有酸素運動は消費カロリーを増やし、心肺機能を高め、日常の活動量を上げるために有効です。

ただし、ダイエット中は食事制限によって回復力が落ちやすくなります。

その状態で有酸素運動をやりすぎると、筋トレの重量が落ちたり、疲労が抜けにくくなったりします。

ダイエット中こそ、有酸素運動の量を増やしすぎるのではなく、筋トレの質を落とさない範囲で取り入れることが大切です。

筋トレと有酸素運動のおすすめの組み合わせ方

ここからは、実際にどのように筋トレと有酸素運動を組み合わせるべきかを目的別に整理します。

筋肥大を優先したい場合

筋肉を増やしたい場合は、筋トレの質を最優先にします。

  • 有酸素運動は筋トレと別日に行う
  • 同日に行うなら筋トレ後に短めにする
  • 長時間のランニングは控えめにする
  • ウォーキングやバイクを中心にする
  • 脚トレ前日の強い有酸素運動は避ける

筋肥大目的であれば、有酸素運動はやりすぎないことが重要です。

おすすめは、週2〜3回、20〜30分程度のウォーキングやバイクです。息が上がりすぎない強度で行えば、筋トレへの悪影響を抑えながら体脂肪を落としやすくなります。

ダイエットを優先したい場合

ダイエット目的の場合も、筋トレを中心に考えるのがおすすめです。

なぜなら、体重を落とすだけでなく、見た目を良くするには筋肉を残す必要があるからです。

  • 週2〜4回の筋トレを優先する
  • 有酸素運動はウォーキング中心にする
  • 疲労が強い日は有酸素運動を短くする
  • 食事制限中は有酸素運動を増やしすぎない
  • 筋トレの重量が落ち続けるなら有酸素運動を減らす

ダイエットでは、有酸素運動を増やせば増やすほど良いわけではありません。

筋トレのパフォーマンスが落ちすぎているなら、有酸素運動のやりすぎか、食事制限がきつすぎる可能性があります。

筋力アップを優先したい場合

ベンチプレス、スクワット、デッドリフトなどの重量を伸ばしたい場合は、有酸素運動の疲労管理が重要です。

  • 高強度の有酸素運動は筋トレと別日にする
  • 脚トレ前日にランニングを入れない
  • 筋トレ前の長時間有酸素は避ける
  • 有酸素運動は低〜中強度に抑える
  • 重量が伸びない時期は有酸素運動量を見直す

筋力アップを狙うなら、筋トレ前に疲労を作らないことが大前提です。

有酸素運動を行うなら、筋トレ後、別時間、または別日に分けるのがおすすめです。

健康目的の場合

健康目的であれば、筋トレと有酸素運動はどちらも重要です。

筋トレは筋肉量、骨密度、姿勢、代謝の維持に役立ちます。

有酸素運動は心肺機能、血流、生活習慣病予防に役立ちます。

健康づくりが目的なら、干渉効果を細かく気にしすぎるよりも、継続できる組み合わせを作ることが大切です。

  • 週2〜3回の筋トレ
  • 週2〜4回のウォーキング
  • 1回20〜30分程度の有酸素運動
  • 疲労が強い日は軽めに調整

この程度であれば、多くの方にとって筋トレの効果を大きく邪魔する可能性は低いと考えられます。

筋トレと有酸素運動はどちらを先にするべきか

同じ日に筋トレと有酸素運動を行う場合、基本的には筋トレを先にするのがおすすめです。

理由はシンプルで、有酸素運動を先に行うと筋トレ時点で疲れてしまうからです。

筋トレでは、重量、回数、フォーム、集中力が重要です。

先に長時間走って脚が疲れている状態では、スクワットやレッグプレスの質が下がります。

そのため、筋肥大や筋力アップを狙うなら、順番は次のように考えてください。

  • 筋トレを優先したい場合:筋トレ → 有酸素運動
  • 持久力を優先したい場合:有酸素運動 → 筋トレ
  • どちらも伸ばしたい場合:別日、または6時間以上空ける

一般的なボディメイクやダイエット目的であれば、筋トレを先に行い、その後に短めの有酸素運動を入れる形が扱いやすいです。

有酸素運動を入れすぎているサイン

有酸素運動が多すぎると、筋トレの質や回復に悪影響が出ることがあります。

次のような状態が続く場合は、有酸素運動の量を見直した方が良いです。

  • 筋トレの重量が落ち続けている
  • 脚の疲労が抜けない
  • 筋肉痛が長引く
  • 睡眠の質が落ちている
  • 食欲が乱れている
  • ダイエット中に見た目がしぼみすぎている
  • やる気が落ちてトレーニングが雑になっている

特にダイエット中は、摂取カロリーが少ないため回復力が落ちます。

体脂肪を落としたいからといって、有酸素運動を増やしすぎると、筋トレの質が下がり、結果的に見た目が悪くなることもあります。

実践でのおすすめメニュー例

週3回筋トレの場合

  • 月曜:筋トレ
  • 火曜:ウォーキング20〜30分
  • 水曜:筋トレ
  • 木曜:休み、または軽いウォーキング
  • 金曜:筋トレ
  • 土曜:ウォーキング20〜30分
  • 日曜:休み

筋トレ日と有酸素運動日を分けることで、筋トレの質を保ちやすくなります。

週4回筋トレの場合

  • 月曜:上半身トレーニング
  • 火曜:下半身トレーニング
  • 水曜:ウォーキング20〜30分
  • 木曜:上半身トレーニング
  • 金曜:下半身トレーニング
  • 土曜:ウォーキング、またはバイク20〜30分
  • 日曜:休み

下半身トレーニングの前日に強いランニングを入れないことがポイントです。

同じ日に行う場合

  • 筋トレを先に行う
  • 有酸素運動は20分程度に抑える
  • 強度は息が上がりすぎない程度にする
  • 脚トレ後の長時間ランニングは避ける
  • できればウォーキングやバイクを選ぶ

同じ日に行うなら、筋トレの目的を邪魔しない範囲に有酸素運動を抑えることが重要です。

まとめ:筋トレと有酸素運動は別日にできるなら別日がベスト

筋トレと有酸素運動を組み合わせること自体は、決して悪いことではありません。

ただし、筋トレの効果を最大化したいなら、組み合わせ方には注意が必要です。

  • 干渉効果は存在する
  • 特にパワーは影響を受けやすい
  • 筋肥大や最大筋力への影響は昔考えられていたほど大きくない可能性がある
  • 有酸素運動の量が多いほど干渉しやすい
  • ランニングはサイクリングより疲労や筋損傷が大きくなりやすい
  • 筋トレと有酸素運動は別日に分けるのが最も無難
  • 同じ日に行うなら筋トレを先にする
  • ダイエット目的ならウォーキングやバイクを短時間入れるのがおすすめ

結論として、有酸素運動は別日にしておけば、基本的には大きく気にしすぎなくて大丈夫です。

同じ日に行う場合でも、筋トレ後に短時間、低〜中強度で行う程度であれば、一般的なダイエットやボディメイクでは問題になりにくいです。

大切なのは、有酸素運動を増やすことではなく、筋トレの質を落とさない範囲で上手に組み合わせることです。

都島・京橋エリアでダイエットやボディメイクを始めたい方へ

パーソナルジムEvolveでは、筋トレだけでなく、目的に合わせた有酸素運動の取り入れ方や食事管理までサポートしています。

「筋トレと有酸素運動をどう組み合わせればいいかわからない」「ダイエット中に筋肉を落としたくない」「自己流で頑張っているのに体が変わらない」という方は、正しい順番と強度で進めることが大切です。

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