「筋トレは全身法と分割法、どっちが効果的?」「1部位は週に何回鍛えるべき?」「週1回しかジムに行けないなら意味がない?」
筋トレを続けていると、一度は悩むテーマです。
結論から言うと、全身法か分割法かだけで筋肥大や筋力の結果が大きく決まるわけではありません。重要なのは、週あたりに必要なトレーニング量を確保し、それを回復できる範囲で継続できる形にすることです。
つまり、毎回全身を鍛える全身法でも、部位を分けて鍛える分割法でも、自分の生活・目的・経験値に合っていれば効果は十分に期待できます。
結論:全身法と分割法は、条件をそろえれば大きな差は出にくい
2024年に発表された全身法と分割法を比較したメタ分析では、14件・392名を対象に、筋力と筋肥大への影響が検討されました。
結果は、全身法と分割法のどちらも筋力・筋肥大に効果があり、週あたりのトレーニング量が同程度であれば、明確な優劣は確認されませんでした。
ここで重要なのは、「全身法だから筋肉がつきやすい」「分割法だから筋肥大に有利」と決めつけないことです。
筋トレの方法は、目的に合わせて選ぶべきものです。週2回しか通えない人と、週5回以上トレーニングできる人では、最適な組み方は当然変わります。
全身法と分割法の違い
全身法とは
1回のトレーニングで胸・背中・脚・肩など、複数の部位をまとめて鍛える方法が全身法です。
たとえば、週2〜3回のジム通いで、毎回以下のような種目を行うイメージです。
- スクワットまたはレッグプレス
- ベンチプレスまたはチェストプレス
- ラットプルダウンまたはローイング
- ショルダープレスまたはサイドレイズ
- 必要に応じて腕・腹筋・ヒップ種目
1回あたりの種目数は増えますが、各部位を週に複数回刺激しやすいことが特徴です。
分割法とは
分割法とは、トレーニング日ごとに鍛える部位を分ける方法です。
代表例は以下の通りです。
- 胸・肩・腕の日
- 背中・腕の日
- 脚の日
分割法では、1回のセッションで特定部位に多くのセット数を使えます。筋トレ経験が増え、胸や脚など特定部位に多くのボリュームをかけたい人には特に使いやすい方法です。
筋トレ頻度よりも重要な「週あたりのトレーニング量」
筋肥大を考える上で、頻度より重要になりやすいのが週あたりのトレーニング量です。
トレーニング量にはいくつかの考え方がありますが、代表的なのがボリュームロードです。
ボリュームロードは、以下の式で表されます。
重量 × 回数 × セット数
たとえば、60kgを10回、3セット行った場合は、60kg × 10回 × 3セットで1,800kgです。
ただし、筋肥大の実践ではボリュームロードだけでは判断しきれません。同じボリュームロードでも、種目・可動域・フォーム・失敗への近さによって筋肉への刺激は変わるためです。
現場では、「各部位に対して、質の高いセットを週に何セット積み重ねられているか」を見るほうが実用的です。
そのため、筋トレ頻度は目的そのものではなく、必要なセット数を無理なくこなすための手段と考えると分かりやすくなります。
週1回の筋トレは意味がない?
週1回しか筋トレできないからといって、意味がないわけではありません。
過去の研究では、頻度が高いほど筋肥大や筋力向上に有利に見える結果もありました。しかし、その差の多くは、頻度が高いグループのほうが週あたりの総セット数も多かった影響と考えられています。
その後の研究では、週あたりのトレーニング量をそろえた場合、筋肥大については頻度による大きな差が出にくいことが示されています。
つまり、週1回しかできない人でも、その1回で必要なトレーニング量を確保できるなら、筋肉をつけることは可能です。
ただし、週1回にすべてのセット数を詰め込むと、後半の種目で集中力やパフォーマンスが落ちやすくなります。トレーニング時間が極端に長くなる場合は、週2回以上に分けたほうが実践しやすいでしょう。
初心者は週2〜3回の全身法から始めるのがおすすめ
筋トレ初心者の場合、いきなり細かく部位を分ける必要はありません。
初心者は比較的少ないセット数でも筋力・筋量の変化を得やすいため、週2〜3回の全身法で基本種目を繰り返すだけでも十分に成果が出ます。
全身法のメリットは、各種目の練習回数を確保しやすいことです。
スクワット、ベンチプレス、ローイング、ラットプルダウンなどは、筋肉への刺激だけでなく、動作の習得も重要です。週に複数回行うことで、フォームの安定や扱える重量の向上につながります。
初心者向けの全身法例
週2〜3回、以下のような構成から始めるとよいでしょう。
- 脚:スクワットまたはレッグプレス 2〜3セット
- 胸:ベンチプレスまたはチェストプレス 2〜3セット
- 背中:ラットプルダウンまたはローイング 2〜3セット
- 肩:サイドレイズまたはショルダープレス 1〜2セット
- 必要に応じて腹筋・ヒップ・腕を追加
最初から各部位を週20セット、30セットと増やす必要はありません。筋肉痛、関節の違和感、睡眠、仕事への影響を見ながら、少しずつトレーニング量を増やしていくことが大切です。
忙しくて土日しか行けない場合でも筋トレはできる
平日は仕事や家事で忙しく、土日しかジムに行けない人も多いはずです。
その場合でも、筋トレを諦める必要はありません。
おすすめは、土曜日と日曜日に全身を分けて鍛える方法です。
- 土曜日:脚・胸・背中を中心に行う
- 日曜日:別の種目で脚・胸・背中を軽めに行い、肩・腕・腹筋を追加する
連日トレーニングする場合は、毎セット限界まで追い込むよりも、少し余力を残した状態で終えることがポイントです。
目安としては、あと2〜3回はできそうな状態でセットを止める「2〜3RIR」程度から始めると、疲労を管理しやすくなります。
分割法が向いている人
分割法は、週あたりのトレーニング量が増えてきた人に向いています。
たとえば、胸・背中・脚などをそれぞれ週10セット以上行いたい場合、全身法だけでまとめようとすると、1回のトレーニング時間が長くなりすぎます。
そのようなときに、部位ごとに日程を分ける分割法が役立ちます。
代表的な分割法
代表的な分け方には、以下があります。
- 上半身・下半身分割
- 胸・背中・脚の3分割
- プッシュ・プル・レッグス法
- 胸・肩・腕/背中・腕/脚の3分割
プッシュ・プル・レッグス法は、以下のように分ける方法です。
- プッシュ:胸・肩・上腕三頭筋
- プル:背中・上腕二頭筋
- レッグス:大腿四頭筋・ハムストリングス・臀部・ふくらはぎ
週3回なら、プッシュ・プル・レッグスを1周。週6回なら2周するような組み方ができます。
ただし、休みなく毎日トレーニングすると、局所的な筋肉疲労だけでなく、全身的な疲労が蓄積することがあります。睡眠の質、食欲、集中力、トレーニング重量の低下などを確認し、必要に応じて休養日を入れましょう。
高頻度の全身法という選択肢
筋トレ経験者のなかには、週3〜5回以上、全身を高頻度で鍛える方法を取り入れる人もいます。
高頻度全身法は、1回のトレーニング量を少なくし、その代わりに各部位へ頻繁に刺激を入れる考え方です。
たとえば、週4回の全身法であれば、毎回すべての部位を限界まで追い込むのではなく、1部位あたり1〜3セット程度に抑えながら、週あたりの総セット数を積み上げます。
高頻度全身法のメリット
- 1回のセッションを短くしやすい
- 週あたりのセット数を分散できる
- フォーム練習の機会を増やしやすい
- 1日休んでも特定部位だけを大きく飛ばしにくい
高頻度全身法の注意点
- 疲労管理ができないと、パフォーマンスが落ちやすい
- 毎回限界まで追い込むと回復が追いつきにくい
- 全身を鍛えるため、トレーニング時間が長くなりやすい
- 初心者は筋肉痛やフォームの乱れが出やすい
トレーニング経験があり、RIRや疲労をコントロールできる中級者以上に向いている方法が高頻度全身法です。
追い込む筋トレと、余力を残す筋トレ
筋トレでは、毎セット限界まで行うべきか迷う人も多いでしょう。
筋肥大においては、限界に近いセットは有効です。ただし、毎セットを完全な限界まで追い込むと、疲労・筋損傷・不快感が大きくなり、次のトレーニングの質が落ちる可能性があります。
特に高頻度で全身を鍛える場合は、毎回0RIR、つまり「もう1回もできない状態」まで追い込む必要はありません。
多くのセットを1〜3RIR程度、つまりあと1〜3回できる余力を残して終えることで、筋肉への刺激を確保しながら、回復と継続を両立しやすくなります。
一方で、分割法で特定部位に集中する日を作る場合は、最後の種目や最後のセットだけ限界近くまで追い込む方法も選択肢になります。
全身法と分割法、どちらを選ぶべき?
| タイプ | おすすめの方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 筋トレ初心者 | 週2〜3回の全身法 | 基本種目を練習しやすく、少ないセット数でも成果が出やすい |
| 忙しくて週1〜2回しか通えない人 | 全身法 | 少ない来館回数でも全身へ刺激を入れやすい |
| 週3〜4回トレーニングできる人 | 全身法または上半身・下半身分割 | 生活リズムに合わせて選びやすい |
| 筋トレ中級者以上 | 分割法または高頻度全身法 | より多くのセット数を部位ごとに配分しやすい |
| 特定部位を重点的に鍛えたい人 | 分割法 | 狙った部位に十分な種目数・セット数を使いやすい |
筋トレメニューを決めるときの4つの基準
- 週に何回ジムへ行けるか
- 1回のトレーニングに何分使えるか
- 各部位にどれだけセット数を使いたいか
- 睡眠・仕事・食事を含めて回復できるか
この4つを基準に考えると、自分に合った頻度や分割方法を選びやすくなります。
大切なのは、「理論上もっとも優れた方法」を探し続けることではありません。
自分が無理なく続けられ、少しずつ重量・回数・フォーム・セット数を改善していける方法が、最終的には最も効果的な方法になります。
まとめ
- 全身法と分割法は、週あたりのトレーニング量をそろえれば大きな差は出にくい
- 筋トレ頻度は、必要なセット数を配分するための手段
- 週1回の筋トレでも、継続すれば筋力・筋肉量の向上は狙える
- 初心者は週2〜3回の全身法から始めやすい
- セット数が増えてきたら、分割法でトレーニング量を分散しやすい
- 高頻度全身法は、中級者以上が疲労を管理しながら行う選択肢
- 最も大切なのは、自分の生活に合う方法を継続すること
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