ダイエット中に「脂質はできるだけ減らした方がいい」と考えている方は多いのではないでしょうか。
確かに、脂質は1gあたり約9kcalあり、たんぱく質や炭水化物の約2倍以上のエネルギーを持つ栄養素です。そのため、摂りすぎるとカロリーオーバーにつながりやすく、体脂肪が増える原因にもなります。
しかし、脂質は決して悪者ではありません。
脂質は、ホルモンの材料、細胞膜の構成、脂溶性ビタミンの吸収、食事の満足感など、体にとって重要な役割を持っています。つまり、ダイエット中に大切なのは「脂質をゼロにすること」ではなく、「脂質の量と質を整えること」です。
この記事では、ダイエットと脂質の関係性について、パーソナルトレーナー目線でわかりやすく解説します。
ダイエット中に脂質は必要なのか?
結論から言うと、ダイエット中でも脂質は必要です。
脂質を完全に抜いた食事は、一見すると痩せやすそうに見えます。しかし実際には、体調不良、ホルモンバランスの乱れ、肌荒れ、強い空腹感、リバウンドなどにつながる可能性があります。
脂質は、体にとって以下のような役割があります。
- ホルモンの材料になる
- 細胞膜を作る材料になる
- ビタミンA・D・E・Kの吸収を助ける
- 食事の満足感を高める
- 体温維持やエネルギー源として使われる
そのため、ダイエット中に脂質を極端に減らすことはおすすめできません。
大切なのは、脂質を「減らす」のではなく「整える」ことです。
脂質は太る原因ではなく、摂りすぎると太る
脂質そのものが太る原因ではありません。
体脂肪が増える根本的な原因は、摂取カロリーが消費カロリーを上回ることです。つまり、脂質を摂ったから太るのではなく、1日の総摂取カロリーが多すぎることで太ります。
ただし、脂質はカロリー密度が高いため、無意識に摂りすぎやすい栄養素です。
例えば、以下のような食品は少量でもカロリーが高くなりやすいです。
- オリーブオイル大さじ1:約110〜120kcal
- マヨネーズ大さじ1:約80〜100kcal
- ナッツひとつかみ:約150〜200kcal
- 菓子パン1個:約300〜500kcal
- 唐揚げ定食:約800〜1,000kcal前後になることもある
このように、脂質は少量でもカロリーが増えやすい特徴があります。
そのため、ダイエット中は脂質を完全に避ける必要はありませんが、無意識に増えている脂質には注意が必要です。
脂質を減らしすぎるとダイエットが崩れる理由
ダイエット中に脂質を極端にカットすると、短期的には体重が落ちることがあります。しかし、長期的には継続しにくく、体調や見た目に悪影響が出ることもあります。
ホルモンバランスが乱れやすくなる
脂質やコレステロールは、体内でホルモンを作る材料になります。
特に女性の場合、脂質を極端に減らしすぎると、月経不順、肌荒れ、疲労感、メンタルの不安定などにつながることがあります。
ダイエット中に「体重は落ちているけど、肌が荒れる」「生理周期が乱れる」「疲れやすい」という場合、脂質や総カロリーが少なすぎる可能性があります。
脂溶性ビタミンの吸収が落ちやすい
ビタミンには、水に溶けやすい水溶性ビタミンと、脂に溶けやすい脂溶性ビタミンがあります。
脂溶性ビタミンには、ビタミンA・D・E・Kがあります。
これらは脂質と一緒に吸収されやすいため、脂質を極端に減らすと、栄養バランスが崩れやすくなります。
体重を落とすことだけを考えて脂質を削りすぎると、健康的なダイエットからは離れてしまいます。
食事の満足感が下がる
脂質は消化に時間がかかり、食事の満足感にも関わります。
脂質を完全に避けると、食事をしても物足りなさを感じやすくなります。その結果、間食が増えたり、甘いものを欲しやすくなったり、夜に食欲が爆発することがあります。
ダイエットで大事なのは、我慢を続けることではありません。続けられる食事設計を作ることです。
脂質を適量入れることで、食事の満足感が高まり、結果的に継続しやすくなります。
トレーニングのパフォーマンスが落ちる
脂質を削りすぎる人は、同時に総摂取カロリーもかなり低くなっていることが多いです。
その状態で筋トレをすると、力が出ない、集中力が続かない、疲れやすい、筋肉が残りにくいといった問題が起こります。
ボディメイクでは、ただ体重を落とすだけでなく、筋肉を残しながら体脂肪を落とすことが大切です。
そのためには、たんぱく質だけでなく、脂質や炭水化物も含めた全体の栄養バランスが重要です。
継続できずリバウンドしやすい
脂質をほとんど摂らない食事は、長期的に続けにくいです。
最初の数週間は我慢できても、食事の満足感が低く、外食もしにくく、ストレスが溜まりやすくなります。
その結果、反動で食べすぎてしまい、リバウンドにつながるケースも少なくありません。
本当に大切なのは、短期間で一気に落とすことではなく、半年後も続けられる習慣を作ることです。
ダイエット中の脂質量の目安
ダイエット中の脂質量は、総摂取カロリーの20〜30%程度を目安に考えるとわかりやすいです。
日本人の食事摂取基準でも、脂質はエネルギー比率として20〜30%程度が目標量として設定されています。
例えば、1日の摂取カロリーが1,500kcalの場合、脂質の目安は以下のようになります。
- 脂質20%:約33g
- 脂質25%:約42g
- 脂質30%:約50g
1日の摂取カロリーが1,800kcalの場合は、以下のようになります。
- 脂質20%:約40g
- 脂質25%:約50g
- 脂質30%:約60g
実際のダイエット指導では、脂質は20〜25%前後から調整することが多いです。
ただし、体格、活動量、性別、トレーニング頻度、体調によって適量は変わります。
小柄な女性や摂取カロリーが低い方であれば、1日30〜45g前後になることもあります。活動量が多い男性や筋トレ頻度が高い方であれば、50〜70g前後になることもあります。
大切なのは、数字だけで判断しないことです。
体重の変化、空腹感、便通、肌の状態、疲労感、女性であれば月経の状態などを見ながら調整することが重要です。
ダイエットで本当に見るべきは脂質の質
脂質管理で大切なのは、量だけではありません。
同じ脂質量でも、何から脂質を摂るかによって、体への影響や満腹感は変わります。
脂質には大きく分けて、以下のような種類があります。
- 飽和脂肪酸
- 不飽和脂肪酸
- トランス脂肪酸
ダイエット中に意識したいのは、脂質の総量を管理しながら、できるだけ質の良い脂質を選ぶことです。
ダイエット中におすすめしやすい脂質
おすすめしやすい脂質源は、以下のような食品です。
- 魚
- 青魚
- 卵
- オリーブオイル
- アボカド
- ナッツ少量
- えごま油
- 亜麻仁油
特に青魚に含まれるEPA・DHA、亜麻仁油やえごま油に含まれるオメガ3脂肪酸は、健康面でも意識したい脂質です。
ただし、ここで注意点があります。
体に良い脂質でも、摂りすぎればカロリーオーバーになります。
オリーブオイル、ナッツ、アボカドなどは健康的なイメージがありますが、カロリーは高めです。
「良い脂だからたくさん食べても大丈夫」ではなく、「良い脂を適量摂る」という考え方が大切です。
摂りすぎに注意したい脂質
ダイエット中に摂りすぎに注意したい脂質源は、以下のような食品です。
- 揚げ物
- 菓子パン
- スナック菓子
- 加工肉
- 脂身の多い肉
- バターたっぷりの洋菓子
- 生クリームを使った食品
- マヨネーズ
- ラーメン
- カレー
これらは脂質量が多くなりやすく、同時に総カロリーも高くなりやすい食品です。
特に、菓子パン、ラーメン、揚げ物、スナック菓子は、脂質と糖質がセットで多くなりやすいため、ダイエット中は頻度を調整したい食品です。
飽和脂肪酸は悪者ではないが、増えすぎには注意
肉の脂身、バター、チーズ、生クリーム、ラード、加工肉、洋菓子などに多く含まれます。
飽和脂肪酸も体にとって完全に不要なものではありません。しかし、摂りすぎるとLDLコレステロールの上昇や生活習慣病リスクに関わる可能性があります。
そのため、ダイエット中は脂質量だけでなく、脂質の中身にも注意が必要です。
例えば、脂質を1日40gに抑えていたとしても、その多くが菓子パン、チョコ、唐揚げ、ベーコン、ラーメン由来であれば、栄養の質は高いとは言えません。
一方で、同じ脂質40gでも、魚、卵、鶏肉、オリーブオイル、ナッツ少量などから摂れていれば、体調や満腹感は安定しやすくなります。
数字だけではなく、何から脂質を摂っているかを見ることが大切です。
脂質制限が向いている人
脂質制限が向いているのは、普段から脂質を摂りすぎている人です。
例えば、以下に当てはまる方は、脂質を少し整えるだけで摂取カロリーが大きく下がる可能性があります。
- 揚げ物をよく食べる
- ラーメンをよく食べる
- 外食が多い
- 菓子パンをよく食べる
- スナック菓子をよく食べる
- マヨネーズやドレッシングを多く使う
- 脂身の多い肉をよく食べる
- 洋菓子やチョコをよく食べる
このタイプの方は、脂質を少し抑えるだけでも体重が落ちやすくなります。
例えば、唐揚げ定食を焼き魚定食に変える。ラーメンをそばや和定食に変える。マヨネーズをポン酢やノンオイルドレッシングに変える。
これだけでも、1日300〜500kcalほど摂取カロリーが下がることがあります。
脂質の多い食事が習慣化している方にとって、脂質管理はダイエットの効果が出やすいポイントです。
脂質制限が向いていない人
逆に、脂質をさらに減らさない方がいい人もいます。
例えば、以下のような方です。
- すでに鶏むね肉、白米、野菜ばかりの食事になっている
- 脂質をほとんど摂っていない
- 生理不順がある
- 肌荒れがある
- 便秘が続いている
- 強い空腹で過食しやすい
- 食事の満足感が低く、間食が増えている
このような方は、脂質をさらに削るよりも、適量の脂質を戻した方がダイエットが安定することがあります。
体重を落とすことだけを考えると、脂質を減らせばよいように感じるかもしれません。
しかし、体調を崩したり、反動で食べすぎたりしてしまうと、結果的にダイエットは続きません。
ダイエットは、体重だけでなく、体調、メンタル、生活リズム、継続性まで含めて考える必要があります。
糖質制限と脂質制限を同時にやるのは危険
ダイエット初心者がやりがちな失敗が、「糖質も脂質も両方減らすこと」です。
これはおすすめできません。
糖質を減らすなら、脂質はある程度必要です。脂質を減らすなら、糖質はある程度必要です。
糖質も脂質も同時に大きく削ると、ただの超低カロリー食になります。
超低カロリーになると、短期的には体重が落ちます。しかし、筋肉も落ちやすく、トレーニングの質も下がり、見た目が引き締まりにくくなります。
さらに、空腹感やストレスが強くなり、反動で食欲が爆発しやすくなります。
ボディメイク目的であれば、基本は以下の考え方です。
- たんぱく質をしっかり摂る
- 脂質は適量に整える
- 炭水化物は活動量や目的に合わせて調整する
つまり、「高たんぱく・適量脂質・適量糖質」が基本です。
ダイエット中の脂質管理の実践ルール
脂質管理を難しく考える必要はありません。
ダイエット中の食事は、以下の順番で考えるとわかりやすくなります。
- まず、たんぱく質を確保する
- 次に、脂質を適量に収める
- 最後に、残りを炭水化物で調整する
この順番で考えると、食事全体のバランスが整いやすくなります。
脂質の目安は人によって異なりますが、一般的な減量中であれば、1日40〜60g前後に収まる方が多いです。
小柄な女性や摂取カロリーが低い方であれば、30〜45g前後。活動量が多い男性や筋トレ頻度が高い方であれば、50〜70g前後になることもあります。
ただし、これはあくまで目安です。
実際には、体重の変化、体脂肪の変化、空腹感、睡眠、便通、トレーニングの調子を見ながら調整することが大切です。
脂質を整えやすい食事例
脂質を削りすぎず、増やしすぎない食事例は以下のような形です。
- 朝:卵、納豆、ご飯、味噌汁
- 昼:鶏肉または魚、白米、野菜
- 夜:赤身肉または魚、野菜、必要に応じて炭水化物
- 間食:プロテイン、ヨーグルト、ナッツ少量
このように、主食、主菜、副菜を揃えながら、脂質の多い食品を調整すると、無理なくダイエットを進めやすくなります。
脂質が多くなりやすい落とし穴
ダイエット中に脂質が増えやすいのは、肉や魚などの主菜だけではありません。
意外と多いのが、調理油、タレ、ドレッシング、間食です。
特に注意したいのは、以下の食品です。
- ドレッシング
- マヨネーズ
- 炒め油
- ナッツ
- チーズ
- 菓子パン
- チョコ
- カレー
- ラーメン
- 揚げ物
- 外食の肉料理
例えば、「サラダを食べているのに痩せない」という方は、ドレッシング、チーズ、アボカド、ナッツ、ベーコンなどで脂質が増えていることがあります。
また、「糖質を減らしているのに痩せない」という方は、肉の脂、チーズ、ナッツ、オイル、マヨネーズでカロリーが増えていることがあります。
健康的に見える食事でも、脂質量が多くなればカロリーオーバーになります。
ダイエット中は、食材だけでなく、調味料や調理方法にも注意することが大切です。
脂質を減らすときの具体的な工夫
脂質を整えるためには、無理に脂質ゼロを目指す必要はありません。
まずは、普段の食事で脂質が多くなりやすいポイントを少し変えるだけで十分です。
- 揚げ物を焼き物や蒸し料理に変える
- 脂身の多い肉を赤身肉や鶏むね肉に変える
- マヨネーズをポン酢やノンオイルドレッシングに変える
- ラーメンの頻度を減らし、そばや定食に変える
- 菓子パンをおにぎりやヨーグルトに変える
- ナッツは袋のまま食べず、量を決める
- 炒め油を使いすぎない
このような小さな工夫でも、1日の摂取カロリーは大きく変わります。
ダイエットは、完璧な食事を目指すよりも、太りやすい習慣を少しずつ減らす方が継続しやすいです。
脂質を減らしすぎているサイン
脂質を減らしすぎている場合、体にサインが出ることがあります。
以下のような状態が続く場合は、脂質や総カロリーが少なすぎる可能性があります。
- 肌が乾燥しやすい
- 髪がパサつく
- 疲れやすい
- 集中力が落ちる
- 便秘が続く
- 食後の満足感がない
- 甘いものを強く欲する
- 女性の場合、月経周期が乱れる
- トレーニングで力が出ない
これらが出ている場合、脂質をさらに減らすのではなく、食事全体を見直す必要があります。
体重が落ちていても、体調が悪くなっているなら、そのダイエットは長く続きません。
プロトレーナー目線での結論
脂質はダイエットの敵ではありません。
本当の敵は、「無意識に摂りすぎている脂質」と「極端に削りすぎている脂質」です。
痩せたいからといって、脂質をゼロにする必要はありません。むしろ、適量の脂質は健康的に痩せるために必要です。
大切なのは、揚げ物、菓子パン、加工食品、脂身の多い肉、マヨネーズ、ドレッシングなどで増えすぎている脂質を減らすことです。
そして、魚、卵、オリーブオイル、ナッツ少量など、質の良い脂質を適量入れることです。
ダイエット中の脂質管理は、以下のように考えると失敗しにくくなります。
- 脂質は減らすものではなく、整えるもの
- 脂質を整えると、カロリーが整う
- カロリーが整うと、体重が落ちやすくなる
- 脂質を削りすぎないことで、体調と継続力が守られる
つまり、ダイエットにおける脂質の正解は「カット」ではなく「コントロール」です。
脂質を正しく管理できるようになると、無理な食事制限をしなくても、体重や見た目は変わりやすくなります。
都島・京橋エリアでダイエットを始めたい方へ
ダイエットで結果を出すためには、ただ食事量を減らすだけではなく、自分に合った栄養バランスを知ることが大切です。
特に脂質は、減らしすぎても摂りすぎてもダイエットがうまく進みにくくなります。
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